資金繰り
試算表を毎月作る会社は、なぜ強いのか?
会社経営において、「試算表を毎月作成していますか?」とお聞きすると、経営者の方によって反応はさまざまです。
「決算の時だけ見れば十分では?」
「税理士に任せているからよく分からない」
「数字を見るのが苦手だから…」
しかし、長年多くの会社を見てきた経験から言えることがあります。
それは、毎月試算表を作成し、経営に活用している会社ほど業績が安定し、成長しているということです。
では、なぜ試算表を毎月作る会社は強いのでしょうか。
試算表とは会社の健康診断書
試算表とは、簡単に言えば「会社の現在地を示す成績表」です。
売上はいくらだったのか。
利益は出ているのか。
お金は十分に残っているのか。
借入金は増えていないか。
こうした情報を月ごとに確認できる資料です。
人間も健康診断を何年も受けなければ病気の発見が遅れるように、会社も数字を確認しなければ問題の発見が遅れてしまいます。
試算表は会社の健康診断書なのです。
強い会社は「異変」にすぐ気付く
業績が悪化する会社の特徴の一つは、問題の発見が遅いことです。
例えば、
「売上が落ちていた」
「利益率が下がっていた」
「経費が増えていた」
という状況に半年後や一年後に気付いても、打てる手は限られます。
一方で毎月試算表を確認している会社は違います。
「あれ?今月は粗利益率が落ちているな」
「特定の取引先の売上が減っている」
「人件費の増加が利益を圧迫している」
といった変化を早期に発見できます。
経営はスピードが命です。
問題を早く発見できれば、早く対策を打つことができます。
これは病気の早期発見・早期治療と同じです。
銀行からの評価も高くなる
試算表を毎月作成することは、金融機関からの評価にもつながります。
銀行は融資を行う際、
「この会社は数字をきちんと管理しているか」
を重視しています。
例えば銀行担当者から、
「最近の業績を教えてください」
と聞かれた際に、
「先月末時点の試算表があります」
と即座に提出できる会社と、
「決算書しかありません」
という会社では印象が大きく異なります。
銀行が安心するのは前者です。
数字を把握している経営者は、資金繰りの管理能力も高いと判断されやすいのです。
実際に、融資がスムーズに進む会社の多くは毎月試算表を作成しています。
経営判断の精度が上がる
経営者は日々多くの判断を迫られます。
設備投資をするべきか。
人を採用するべきか。
新規事業に挑戦するべきか。
こうした判断を勘や経験だけで行うことは危険です。
数字という客観的な情報があることで、判断の精度は大きく向上します。
例えば利益が十分に出ていることが分かれば積極的な投資ができます。
反対に資金繰りに余裕がないことが分かれば慎重な経営判断ができます。
試算表は経営者の「意思決定を支える地図」のような存在なのです。
地図を持たずに山を登る人がいないように、数字を見ずに経営することも本来は非常に危険なことと言えるでしょう。
まとめ
会社経営において最も危険なのは、「知らないこと」です。
売上が減っていることを知らない。
利益が出ていないことを知らない。
資金繰りが悪化していることを知らない。
こうした状態は、気付いた時には手遅れになっていることもあります。
毎月試算表を作成する会社は、自社の状況を正確に把握し、問題を早期に発見し、適切な経営判断を行うことができます。
だからこそ強いのです。
試算表は単なる会計資料ではありません。
会社の未来を守るための経営ツールです。
もし現在、決算書しか見ていないという経営者の方がおられましたら、ぜひ毎月の試算表に目を向けてみてください。
その一歩が、会社をさらに強く成長させるきっかけになるかもしれません。