経営
企業型DCは“節税”だけじゃない。会社と社員の未来をつくる制度です
近年、中小企業でも導入が増えている「企業型DC(企業型確定拠出年金)」。
「大企業向けの制度では?」
「うちのような会社には関係ないのでは?」
そう思われる経営者の方も多いかもしれません。
しかし実際には、企業型DCは中小企業こそ活用したい制度の一つです。
今回は企業型DCの概要と、導入するメリット・注意点について解説します。
企業型DCとは?
企業型DCとは、会社が掛金を拠出し、従業員が自ら運用する年金制度です。
将来受け取る年金額は、運用成果によって変動します。
会社が毎月掛金を積み立て、その資金を投資信託や定期預金などで運用し、60歳以降に年金または一時金として受け取る仕組みです。
公的年金だけでは老後資金への不安が高まる中、企業型DCは「自分で老後資金を育てる制度」として注目されています。
企業型DCを導入するメリット
① 会社の福利厚生が充実する
人材採用や定着において、給与だけでは差別化が難しい時代になっています。
企業型DCを導入することで、
- 老後資産形成を支援できる
- 福利厚生が充実する
- 従業員満足度の向上につながる
といった効果が期待できます。
特に若い世代ほど「将来への不安」を感じているため、魅力的な福利厚生として評価されるケースが増えています。
② 掛金は全額損金算入
会社が拠出する掛金は、原則として全額損金になります。
つまり、
- 法人税の節税効果
- 社会保険料の対象外
というメリットがあります。
同じ100万円を役員報酬や賞与で支給する場合と比較すると、税務面・社会保険面で有利になるケースも少なくありません。
③ 役員も加入できる
企業型DCは従業員だけでなく、役員も加入できます。
そのため、
- 社長自身の老後資金づくり
- 役員退職金の補完
- 税制優遇を活用した資産形成
として活用されることもあります。
特に中小企業では、社長自身の退職後の生活資金準備が十分でないケースも多く、計画的な資産形成手段として有効です。
従業員側のメリット
従業員にとっても企業型DCには大きなメリットがあります。
運用益が非課税
通常、投資で利益が出ると約20%の税金がかかります。
しかし企業型DCの運用益には税金がかかりません。
長期間運用するほど、この効果は非常に大きくなります。
受取時にも税制優遇
60歳以降に受け取る際も、
- 一時金なら退職所得控除
- 年金なら公的年金等控除
の対象となります。
積立時だけでなく、運用時・受取時にも税制メリットがあるのが企業型DCの特徴です。
導入時の注意点
もちろんメリットばかりではありません。
60歳まで原則引き出せない
老後資金形成が目的のため、途中で自由に引き出すことはできません。
従業員への制度説明はしっかり行う必要があります。
投資教育が必要
運用結果は加入者自身の選択によって変わります。
そのため、会社には継続的な投資教育や情報提供が求められます。
制度設計が重要
企業型DCには、
- 掛金設定
- 加入対象者
- マッチング拠出
- 選択制DC
など様々な設計パターンがあります。
導入前に専門家と十分検討することが大切です。
まとめ
企業型DCは単なる節税制度ではありません。
- 従業員の老後資産形成支援
- 福利厚生の充実
- 人材採用力の向上
- 役員自身の資産形成
- 法人税負担の軽減
など、多くのメリットを持つ制度です。
少子高齢化が進み、人材確保がますます重要になる時代だからこそ、「給与以外の魅力」を持つ会社が選ばれるようになります。
企業型DCは、会社と社員がともに将来へ備えるための仕組みと言えるでしょう。
西盛税理士事務所では、企業型DCの導入検討や税務上のメリット・デメリットの整理、他の退職金制度との比較検討についてもサポートしております。
「うちの会社でも導入できるのか?」
「役員だけでも活用できるのか?」
といったご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。📈✨
※本記事は2026年6月時点の法令等に基づき作成しております。制度改正等により取扱いが変更される場合があります。