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近江商人の教えに学ぶ経営の本質【第2弾】~「てんびんの詩」が教えてくれる、本当に売れる商売とは~

前回のブログでは、近江商人が「三方よし」の精神を大切にしながら、日本全国で商売を発展させてきた理由についてご紹介しました。

今回は、その近江商人の精神を描いた名作映画『てんびんの詩』から、私が特に心を打たれたエピソードをご紹介します。

主人公の大作は、近江商人の息子です。しかし、家業を継ぐためには「自分の力で鍋蓋を売ってこい」という厳しい試練を父親から与えられます。

商家の息子だからといって、親の名前を使うことも、お金を借りることも許されません。売れるまで帰ってくることもできません。

最初の大作は、とにかく鍋蓋を売ろうと必死になります。

「お願いします。」
「買ってください。」

知り合いを頼り、人情に訴え、何とか売ろうとします。しかし、誰も買ってくれません。

「良い商品だから売れる。」
「一生懸命だから売れる。」

そんな甘い世界ではないことを、大作は痛感します。

そんなある日、一軒の農家を訪れた大作は、台所に置かれている鍋蓋を見つけます。

その瞬間、悪い考えが頭をよぎります。

「この鍋蓋がなくなれば、新しい鍋蓋が必要になる。そうすれば自分の商品が売れるかもしれない。」

しかし次の瞬間、大作は手を止めます。

「この鍋蓋も、誰かが苦労して売ったものではないか。」

そう思った大作は、鍋蓋を盗むどころか、無心でその鍋蓋を丁寧に磨き始めました。

その姿を見た農家の女性が理由を尋ねます。

大作は正直に、自分の未熟さを打ち明けます。

「私は今まで、鍋蓋を売ろうとしていただけでした。お客様のことも、商売のことも、本当は何も分かっていませんでした。」

その誠実な言葉と行動に心を動かされた女性は、「その鍋蓋を一つください」と購入します。

さらに近所の人にも声をかけ、大作の鍋蓋は次々と売れていきます。

この場面には、商売の本質が詰まっています。

商品を売ることだけを考える人からは、なかなか商品は買ってもらえません。

一方で、お客様の立場を考え、商品の価値を信じ、誠実に向き合う人からは、不思議と商品が売れていきます。

現代では営業のテクニックやSNS集客など、さまざまなノウハウがあふれています。しかし、どれほど時代が変わっても、お客様との信頼関係が商売の土台であることは変わりません。

税理士という仕事も同じです。

税金の計算をすることだけが仕事ではありません。

経営者の悩みに耳を傾け、会社の未来を一緒に考え、安心して経営に集中できる環境をつくることが、私たちの本当の役割だと考えています。

『てんびんの詩』は、商売とは利益を追い求めることではなく、人の役に立ち、その結果として利益をいただく営みであることを教えてくれます。

近江商人の「三方よし」の精神は、今もなお色あせることのない普遍的な経営哲学です。

これからも西盛税理士事務所は、お客様によし、地域によし、そして社会によしという想いを大切にしながら、一社一社の挑戦を全力で支えてまいります。

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