経営
AIを使う会社と使わない会社。その差は、経理から始まる。
ChatGPTをはじめとするAIが急速に普及し、「AIを使っていますか?」という質問が当たり前の時代になりました。
しかし、私が多くの経営者とお話ししていて感じるのは、
「AIを導入している会社」と「AIを経営に活かしている会社」はまったく違う
ということです。
そして、その差は意外にも経理から始まります。
AIは”判断”ではなく”整理”が得意
AIは万能ではありません。
未来を予測したり、責任を持って経営判断を下したりすることはできません。
しかし、
- 領収書の整理
- 請求書の作成
- 議事録の要約
- メール文章の作成
- データ分析
こうした仕事は驚くほど得意です。
つまりAIは、
「社長がやるべきではない仕事」を次々と代わりにやってくれる存在なのです。
実は一番AIと相性がいいのが経理
AIというと営業やマーケティングを思い浮かべる方も多いでしょう。
しかし実際には、最もAI化しやすい業務の一つが経理です。
例えば、
毎月行っている
- 通帳入力
- 領収書整理
- 仕訳入力
- 請求書管理
こうした定型業務はAIによって効率化が進んでいます。
つまり、
「経理の時間」を「経営の時間」へ変えられる時代が始まっているのです。
それでもAIではできないこと
ここで勘違いしてはいけません。
AIが発達すると税理士が不要になる。
そんな声もあります。
しかし私はむしろ逆だと思っています。
数字はAIが整理できます。
でも、
- 今年設備投資をするべきか
- 社員を採用してよいのか
- 借入を増やすべきか
- 法人化すべきか
- 相続対策は今始めるべきか
こうした判断には、
会社の歴史
社長の性格
家族構成
地域性
業界の事情
将来の夢
まで理解している人間が必要です。
数字だけでは経営はできません。
毎月試算表を作る会社ほどAIを活かせる
AIはデータがなければ何もできません。
つまり、
数字が毎月整っている会社ほどAIを使いこなせるのです。
逆に、
半年後にまとめて経理をしている会社では、
AIに分析を依頼しても、
「半年前の地図」で今日の経営をしているようなものです。
経営はスピードです。
AI時代だからこそ、
毎月の数字の価値は以前にも増して高くなっています。
AI時代に社長の仕事は変わる
これから社長に求められるのは、
入力することではありません。
判断することです。
作業することではありません。
決断することです。
AIが普及すればするほど、
社長の価値は
「何を知っているか」ではなく
「何を決められるか」
へ移っていきます。
近江商人は、もしAIがあっても同じことをしただろう
私は近江商人の考え方に強く共感しています。
彼らは帳簿を付けることが目的ではありませんでした。
帳簿を通じて、
商売の状態を知り、
信用を守り、
次の一手を考えていました。
もし現代に近江商人がいたなら、
AIを恐れるどころか、
誰よりも早く使いこなしていたでしょう。
ただし、AIに経営を任せることは決してなかったはずです。
なぜなら、商売の本質は人との信頼関係だからです。
最後に
AIは会社を成長させる道具です。
しかし、その道具を使いこなすのは人です。
西盛税理士事務所では、
毎月の数字を「過去の報告書」で終わらせるのではなく、
未来を決めるための経営資料として活用するお手伝いをしています。
100年続く企業に必要なのは、
最新のAIを導入することだけではありません。
数字を正しく読み、正しく決断し、信用を積み重ねること。
その積み重ねこそが、時代がどれだけ変わっても色あせない経営の土台になると、私は信じています。