経営
近江商人に学ぶ。300年経っても色あせない「商売の原点」とは
「利益を上げること」と「お客様のためになること」。
この二つは相反するものなのでしょうか。
実は、300年以上前からその答えを示していた人たちがいます。それが近江商人です。
現在の滋賀県を拠点として全国で活躍した近江商人は、日本を代表する商人集団として知られています。彼らは単に商売が上手だっただけではありません。多くの老舗企業が今なお存続している背景には、時代を超えて受け継がれる経営哲学がありました。
今回は、現代の中小企業経営にも通じる近江商人の教えをご紹介します。
「三方よし」という考え方
近江商人といえば、最も有名なのが**「三方よし」**です。
売り手よし、買い手よし、世間よし。
つまり、
- 売る側が利益を得ること
- 買う側が満足すること
- 地域社会や世の中にも役立つこと
この三つがそろって初めて良い商売であるという考え方です。
現代で言えば、SDGsやCSV(共通価値の創造)、ESG経営にも通じる考え方ですが、近江商人は数百年前からこれを実践していました。
利益だけを追い求める商売は長続きしません。
一方で、お客様に喜ばれ、地域にも貢献する企業は、自然と信頼が積み重なります。
その信頼こそが、会社にとって最大の財産なのです。
「信用」は最大の資産
近江商人にはこんな言葉があります。
「商売は信用が第一」
現代の経営でもまったく同じことが言えます。
価格競争は、いずれ限界がきます。
商品もサービスも、いつかは真似されます。
しかし、信用だけは簡単には真似できません。
約束を守る。
期限を守る。
誠実に対応する。
困ったときほど逃げない。
こうした小さな積み重ねが、「この会社なら安心して任せられる」という評価につながります。
会計や税務の世界でも同じです。
期限を守る会社は金融機関からの評価も高まり、適切な数字を早く把握している会社ほど、経営判断も速くなります。
数字を整えることは、単なる事務作業ではなく、信用を築くための重要な経営活動なのです。
「先義後利」という考え方
近江商人の教えには、もう一つ大切な考えがあります。
「先義後利(せんぎこうり)」
これは、
「正しいことを先に行えば、利益は後からついてくる」
という意味です。
目先の利益だけを追いかけると、一時的には売上が伸びることもあります。
しかし、お客様をだましたり、品質を落としたりすれば、その利益は長く続きません。
逆に、お客様に本当に必要な提案を行い、誠実な仕事を積み重ねることで、信頼が生まれ、紹介が増え、長期的な利益へとつながります。
税理士の仕事でも同じです。
節税だけを目的に無理な提案をするのではなく、お客様の会社が5年後、10年後も発展できる選択肢を一緒に考えることが、本当の価値だと考えています。
現代だからこそ必要な近江商人の精神
AIが発達し、インターネットで何でも調べられる時代になりました。
便利な時代になった一方で、人と人との信頼は以前にも増して重要になっています。
だからこそ、近江商人の教えは決して古い考え方ではありません。
むしろ、変化の激しい今だからこそ価値を持つ経営哲学ではないでしょうか。
「売り手よし、買い手よし、世間よし。」
この言葉を経営判断の基準にできる会社は、短期的な利益だけでなく、長く愛される会社へと成長していくはずです。
おわりに
会社経営では、売上や利益など数字を見ることはもちろん大切です。
しかし、その数字の裏側には必ず「人」がいます。
お客様、社員、取引先、地域社会。
すべての人との信頼関係が、会社の未来をつくっています。
西盛税理士事務所では、税金の計算だけではなく、会社が長く成長し続けるための経営パートナーとして、お客様と伴走したいと考えています。
近江商人が何百年も前に大切にしていた「信用」と「三方よし」の精神は、これからも色あせることのない、経営の原点なのではないでしょうか。
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